CHRONICLE Ⅲ 制作ノート

CHRONICLE Ⅲ

Ayasaの「CHRONICLE Ⅲ」のリリーススケジュールは漠然と16年秋頃と考えられていた。
何故なら今回コラボレーションする相手がクリエイター集団「nowisee」であり、彼等は毎月アプリを通して1曲楽曲を制作しMVを作り小説を発表してゆくので、そのスケジュールの中で十分なミーティングとレコーディングを取るのは神のみぞ知るだったからである。
実際彼等とは「CHRONICLE Ⅰ」の制作時からミーティングは始まっていたが実現には至らず、逆に先に彼等の「ナノ」という楽曲にAyasaがプレイヤーとして参加する事になる。
(ちなみに演奏トラックのみならず、このMVのViolinを弾く女子高校生のモーションキャプチャーもAyasa本人である)
それが彼等が8月に1st ALBUM「掌の戦争」を発売した事によりその月に数週間スケジュールの都合がつき一気に都内にある彼等の専用スタジオで制作が行われた。

東京2020 (とうきょうにいまるにいまる)

今回のMiniALBUMのオープニング曲。
「23時代のニュース」「川崎・夜光」「アキラ」などこちらの出した勝手なイメージのディスカッションを経て完成した秀作。
疾走するトラックとメロのフックの鋭さは流石nowisee。今後LIVEのメイン曲になる事は間違いない。
Ayasaはエレキバイオリンをギターアンプのヘッドに突っ込み真空管のゲインを少しだけクリップさせてからエフェクターに送っている。
勿論3本それぞれキャラの違うマイクを立てViolin自体の箱鳴りも収録、後にミックスする方法を使う。
「東京2020」は少しだけ未来へのオマージュ。痛快な1曲。

君と僕と蒼い月

いかにもnowiseeらしいキャッチーな楽曲。
切ない美メロを歌いあげるAyasaも見事。Violinがメインメロを弾く事がわかっているのにあえてストリングアンサンブルで突っ込んでくる手法は、攻める彼等の真骨頂。
デモの時は全部が良きメロでどこがメインラインか分かりづらかったが、弾き分けたりシンセに任せるとこうなる、というアレンジの好事例。
少年と少女が手を繋ぎながら低くなった蒼い月の見える丘を、どこまでも二人走ってゆくイメージ。
細田守チックな映像イメージ。

百日紅 (さるすべり)

何とも爽快な曲。夏を迎え入れる様な季節感。明るいこのトラックの一番の要因はリズムの作り。特にメンバーのエンジニアでありベーシストであるChotto Unisonのプレイがグルーブに花を添える。Will LeeばりのSadowsky+コンプは最高。
このタイプはAyasaのレパートリーには少ない為、今後LIVEを構成してゆく要曲になる可能性大。
夏を迎え入れる様な季節感。故に「百日紅」。Ayasa本人談。

唐繰坂殺人事件 (からくりざかさつじんじけん)

最大の難曲であり音楽的なトリックの詰まった異色曲。
こんな曲なのに口ずさめてしまうのも彼等の魅力。
Add Fatのラウドギターの壁の中、縦横無尽に泳ぎまくるエフェクティブなAyasaが印象的。
彼女はレコーディングではプラグインとかで表現できるが、LIVEとなると最大12Uのラックマウントエフェクトが出動するぐらいのマニア。
この曲をLIVEでやる日がスタッフは思いやられる。
音楽関係者最多評価数楽曲。

雪になれなかった雨

Turtle 7thのピアノの導かれたバラード。一点の曇りもなく、全てが美しい。
Ayasaの絞り込むような高音、空間をお互い干渉しすぎないそれぞれの音色の音像、ピンと張りつめた温度の低いアレンジが、また霙の降り始めた雪原のようだ。なんとヴォーカルのStrange Octaveまでがコーラスで参加、このALBUMのラストを飾るにふさわしい銘曲となった。

A&R 原田 淳

Ayasa nowisee_member

3rd Mini ALBUM「CHRONICLE Ⅲ」は、Ayasa 25歳の誕生日となる10月19日に発売となる。
また、今作は謎の音楽制作集団「nowisee」と全曲コラボレーション。
( nowisee オフィシャルサイト)

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